2010年4月10日
集まった1万人のなかで一番のおっさんは俺だったろう。
全ての人に面体したわけじゃないがこれには自信がある。
横浜アリーナでおこなわれたレディー・ガガのコンサー
ト。前座のセミ・プレッシャーズ・ウエポンズが以外と
おもしろくて主役が登場する前から気分は大盛り上がり。
こんな前座は貴重だよ。自分を主張しながら主役の登場
を煽りまくり、それがまた自分を際だたせる。こんな前
座バンド大募集中だなとおもいながら見ていた。コンサ
ートや映画や舞台劇などは見るという字ではなく観ると
いう字が使われることが多いが、このバンドは観劇をす
るという世界ではなく見せ物的だから見るだろう。
明治時代から現代に至まで、すべての作家小説家評論家
が映画について書き残した文章を大全した本があるが、
映画なども今では観ると書かれるが夏目漱石は見ると書
いていたし、小林秀雄も見るだった。ドキュメンタリー
の教育映画じゃないんだから、アバターもアリスも見る
でいいんじゃないだろうかとも思いながら前座バンドを
見ていた。その音のうるさいこと。その音のきたないこ
と。その音のバランスのわるいことの全てがパンキッシ
ュできわもので見せ物で、もしこのバンドが小ぎれいな
音を出していたらなんてかっこ悪いんだろうと思えるよ
うな傍若無人ぶりがナイスで、俺が若かったらやっぱり
こういうバンドのボーカリストやりてーなって思った。
まあ見てるだけでこんな風に思うなんて、前座で盛りあ
がったってことだね。しかも、ガガの連呼で。ファック
の連呼で。こいつらウエポンズがリキッドルームでやる
なら見に行くぞーって思った。
前座が大うけしてひっこみ主役が登場する合間の時間に
ガガコスプレの女どもが会場のあちこちにいて、それに
お客さんが群がって記念写真を撮りまくっていた。どの
ライブ会場でもカメラは一応持ちこみ禁止で、ステージ
を撮るわけじゃないと言ってもあまりにも皆さんおおっ
ぴらに写真撮りまくりじゃありませんかと思っていたら、
いよいよ暗くなってガガ登場するとフラッシュがたかれ
まくって横浜アリーナの客席がティンカー・ベル状態に
なった。ピカピカピカピカピカピカピカピカピカピカ。
ガガネエサンの弁護士があるパブリッシャーの弁護士で
もあって、そのパブリッシャーの日本代表者から聞いた
ところによるとガガライブでは写真撮影OKだそうで、
ファンによって撮影された当日の模様はUチューブやU
ストリームなどを通じてほぼ同時に世界配信され、それ
がまた強烈なPRになっているんだそうだ。
しかし、ストリッパーであったり同性愛者援護者であっ
たりとそのキャラは際だちすぎていて「わっかりやすく」
女性ファンがガガが脱げば脱ぐほど盛りあがるなんてま
ことに現代的である。今のどの映画作家よりも現代を描
ききっている存在といっていいだろう。
しかし。客席にいた一番のおっさんは俺だった。