2006年3月10日
昨夜。夕方過ぎ。人と会って打ち合わせを兼ねて食事をする事
になった。美味い物食いに行きましょうと誘って出かけた所は
下町門前仲町の「大阪屋」。「仲町名物・モツ煮」という看板
にいつわりなし。ビール・ワインでモツ煮を食った。10本食
った。忘れてはイケナイ。甘味噌鍋で煮込んだ卵も食った。
この店は、これで3回目だが毎回あきずに美味い。安い。
初めて行ったときは愛想のない女将さんだなあ・・と思ったが、
それは初めての客なのでただそうあつかっただけで、2回目か
らは顔見知りの感じであつかってくれた。愛想のすくなさもか
えってらくな店である。
舞台監督の江坂を連れて行った時も、この店を気に入ったよう
で、北千住より江戸下町っぽいですねと江坂ポケットからデジ
カメとりだし、店のまわりの風景をパシャ。入り口をパシャ。
看板ををパシャ。モツ煮をパシャ。煮卵をパシャ。と写真撮り
まくる。
おいおい江坂。俺がこう暖簾を手でくぐるから、店からでてき
た客というポーズで一枚撮ってくれよ。
いいですよ。でも自分のブログにのっちゃいますよ。
えー。江坂もブログやってんだ。
江坂ちゃんの食いしん坊万歳というタイトルでやってますーと
岡崎堂をパシャ。
江坂を連れて行った夜は、大阪屋の角をまがって新界と看板が
でている路地に入り、まるで映画のセットのような昭和30年
代にタイムスリップしたかのような路地裏のスナックで飲み直
したが、まるで、知らない町を旅してるようなナイスな気分だ
った。
昨夜も同じように、食事の後で昭和30年代の路地裏のスナッ
クにまぎれ込み、そのスナックの常連の、私らにとっては見知
らぬ客の歌う昭和青春歌謡を気分良く何曲か聴いて気分良く金
をはらいナイスな気分で家に帰ったが、不覚にもタクシーの中
で気持ちよく寝てしまった。
お客さん。お客さん。と呼ばれ起こされるとまったく知らない
場所だった。○○まで。とタクシーの運転手さんに言ったのに、
運転手さんが、いやこの際、運転手と呼ばせてもらおう。運転
手が高速の出口をまちがえ、池袋でおりなけりゃいけないのに
埼玉県の戸田まで連れて行かれたような間違いだった。
(ちなみに自宅は池袋方面ではありません。地名はあくまでも
例えです。ですから、用賀までと言ったところ川崎まで連れ
て行かれたと言い換えても可であります)
気持ちよく眠ってしまったこちらがイケナイんだけどどーして
こんな遠くまで来ちまったんだいいったい。
いやお客さんがここだというものですから・・・
言ったかなあ。言わないと思うよ。僕んちは○○でここは××
でしょう。気持ちよく酔っぱらっていても自分ちの場所は言い
間違えないですよ。
そうですか。そこまで言うならわかりましたよ。お宅まで送っ
た料金から3000円引いとけばいいんでしょう。わかりまし
たよ。それでいいんでしょ。
なんだかツッケンドンな感じまるだしで、やなカンジの運転手
だったなあ。3000円オマケしてもらったが、門前仲町から
家に帰る料金の2倍も払わされたなあ・・・
いかん。いかん。タクシーの中では寝てはいかん。と今朝は家
から表参道原宿へ来るまでしっかり目をあけて起きていた。
外は雨がふっていた。タクシーを降りるとき運転手さんがこう
言った。
お客さん傘持ってますか?
持ってませんが、行く場所はすぐそこですから大丈夫ですわ。
すぐそこでも濡れますよ。これをお使いください。
と、折りたたみ傘をくれた。
どうお返しすればいいですかねえ。
どーぞお使いください。どーもありがとうございました。
とタクシーは遠ざかって行った。
昨日の終わりと今日の初めにアンナイスな運転手とナイスな運
転手さんに遭遇した春の日だった。