2006年6月14日
1年も前からすべての準備をし、金をつぎ込み、いよいよドイツま
で大挙おしかけ、歴史的な敗北を目の前で観るはめになったジャパ
ンのサポーターよりはマシだろうと思ったが、やっぱり目覚めはよ
くなかった。
まあ、忘れよう忘れようとしていること自体が忘れてないことで、
まるで神経を病んでしまった人の精神状態のようである。
失恋もこの精神状態に近いかな。
国の威信を賭けた試合とはいえ、言ってみれば、たかがサッカー。
たかが1敗である。負けておぼえる相撲かな。という格言もある国
技をもっている日本人じゃないか。
昨日は、ママミーア!だったが、ドマーニ。ドマーニとポジティブ
に行こうじゃないかと、朝、かみさんの買い物につきあった。
なんじゃそれ?と思われることでしょうが、かみさんサッカー音痴
で、まあ無関心だからこの人といると思い出さなくてもすむのです。
梅雨時のじめじめに備え「水取り象さん」の大型を買う。
結露防止にと窓に貼るテープを買う。
ついでに「あなたの部屋は衣服についたタバコの匂いが消えないか
ら消臭剤を」と炭成分の消臭剤を買ってくれた。
買い物を終え、喫茶&サンドイッチショップで、コーヒーとチキン
サンドで朝件昼食。
「カフェオーレとカフェラテってどうちがうか知ってる?」
「オーレとかラテってフランス語だろう?ラテってなんだっけ?」
「カフェオーレはコーヒー&ミルクでカフェラテはカプチーノ&ミ
ルクなんだって」
「オーレはミルクという意味だろ。ミルクつかうならラテじゃなく
カプチオーレじゃないの?」
「そこはしらないわよ」
「じゃあ、なんでカプチーノ&ミルクってしってるんだ」
「ゆうか*が言ってたのよ」(*娘)
「なんであいつがしってんだい」
「あの子ほら、コーヒーショップでバイトしてたでしょう。そこで
教えてもらったって言うの」
「ビッグマックってフランスじゃなんていうかしってるか」
「しらないわよ」
「ビッグマックはビッグマックだが、フランスじゃル・ビッグマッ
クだ。ロイヤル・デゥ・マックとも言うらしい」
「なにそれ?本当?」
「パルプ・フィクションでトラボルタが言ってた。トラボルタは情
ないやくざ役で、トイレでうんこしてて殺されたよ」
「・・・・・・・・」
「野球部のダジャレしってるか?」
「・・・・・・・・」
「僕がエースでえーす」
「ばかじゃないの」
「じゃあ。サッカー部のダジャレしってるか?」
「・・・・・・・・」
「忍者ハットトリック君」
「サッカーしらないってしってるでしょ」
「あッ。それもダジャレか。いや、反意語かな。いやサッカーの話
はイカンぞ。これは忘れよう。ドマーニ。ドマーニ」
「あッ!子供がたおれた!」
「どーしたんだ急に」
「ほら。荷台にのった子供が自転車ごとたおれたわよ」
店の外では、お母さんがおりて自転車を立てたとたんに後ろの荷台
に乗せられていた子供も一緒におりようと動いたので、バランスを
くずし自転車ごとたおれている。幼稚園に行きかけたほどの小さな
男の子が、ドミノ倒しのように一緒にたおれてしまった隣の自転車
に挟まれ大泣きに泣いている。
「だいじょうぶかなあ」
「怪我はしてないみたい。ほんと危ないのよ。小さい子はおかあさ
んと離れるのがイヤで、待ってなさいって言うと、放っておかれ
ると思ってすぐ動きたがるのよ」
「あいつら(我が家のご子息)もそんなことがあったのか?」
「一回あったわ。怪我はしなかったけど家に帰るまで泣いてたわ」
「頭は打ったのか?もしそこで頭打ってたら、やつらの頭がゆるい
のはその所為だな」
「ちがうわよ。アナタの遺伝でしょ」
こんな感じで、最後はめでたく俺の頭のゆるさに話はおちついた。
ダジャレで一瞬危なかったがジャパンを思い出さずにすんだことは、
たいへんよろしかった。