2008年6月17日
週末は熱海にいて温泉に入っていた。
朝も昼も夕方も夜もと4回も入った。長風呂が苦手な僕は
いわゆる烏の行水式の入り方であるが、知人の鹿児島の妙
見温泉の宿の亭主に聞くと、湯治場の客はみなそういう入
り方ですといってたからそれで良しと何回も入るのである。
静岡市民文化会館の今井美樹コンサートが終わると、ツア
ースタッフのボイストレーナーの鈴木先生と一緒にまた熱
海に舞い戻り、行きつけの清水町のバーに顔を出す。
ライブが最高だったから(弊社のアーティストだから言っ
てるんじゃないよ。布袋ブログにも書いてあったけど大地
真央さんは絶賛していたぜ)、という素敵なライブだった
から鈴木先生とシャンパンで乾杯。
小腹がすいたですね。ナニカ食う物はありませんかと言う
と鮨の出前をとってくれたが、これが旨かった。グッドラ
イブをシャンパンで祝って旨い鮨食って気分も盛り上がっ
た先生と僕は、格言遊びをしだした。
ゴルフの格言、
「ネバーアップ・ネバーイン」(届かなければ入らない)
が登場したので、次ぎに、
「過ぎたるは及ばざるが如し」
が登場したが、これはいったい何の格言なんだろう。具体
的にはなにがあてはまるのか・・と格言遊びが一旦停止し
てしまった。鈴木先生もなにも思い浮かびませんねえと言
うし、カマママの小夏さんもおんなママの桃子さんも首を
ひねるだけである。或ることを思いだし、
これはいかがでしょうか?
あてはまりませんか?
と例題を述べると、一同大笑いで賛同してくれたが、例題
の中味ははばかるべき内容というものでありますから、こ
こでは割愛します。大人の飲み会に参加できる方がいらっ
しゃれば、そのときお話しましょう。
おでん屋が熱海にないという話を聞く。
映画館はかって東映、東宝、松竹、大映、日劇、洋画館、
名画座と7館もあったのに今は1館のみだという。
岡崎もかってはそのラインナップに、洋邦ごちゃ混ぜの2
番館にポルノ映画専門の映画館を足して、9館もあったの
にあっという間に全てなくなってしまった。最近になって
シネコンが登場したそうだが、熱海も岡崎も文化的には幸
せとは言えないね。
でも1館はあるのだから、翌日は映画でも観ようと出かけ
てみると、「ドラエモン祭り」などやっていて、大人が観
る映画ではなかった。
団塊パンチ(飛鳥新社)の森永博志と立川直樹の対談
「続編:シャングリラの予言」でiPodの話から映画館
の話になる。
立川M
「iPodに1000曲入ってるっていう文化が主流では
ある。まあ便利だけど、僕らの時代は、カッコいいって
いうことでいったら、やっぱりCD買ってレコードとし
て聴くことが上等なんじゃないか。映画もね、やっぱり
映画館に観に行こうってのが上等なんじゃないか。そこ
がすごく大事だとおもう」
森永M
「映画館に行くってことは街に行くってことだから、新宿
に行くか、有楽町に行くか、これはちがうよね」
というのがあって、観終わったあとの話。これが大事だ。
何処で何食べるか。これが大事だ。と話が続く。
熱海では、何処も何も1館しかなく、しかもドラエモン祭
りじゃ、いかにもしょうがない。せっかく旨い店がたくさ
んあって気分がいいバーがあるというのに、飲み食いだけ
じゃ文化生活になりませんです。
熱海の一大特長である温泉歓楽街という突出したキャラク
ターも、ひょっとしたら、
「過ぎたるは及ばざるが如し」かもしれんな。
だとすれば、この言葉の具体例は、熱海という街と言い換
えることができるかもしれない。
キリストも、「人はパン=食い物だけで生きる者ではない」
とおっしゃってるじゃありませんか。イエスの時代は信仰
だけど現代は音楽や映画であり芸術であるかな。
PS:
熱海のために言っておかねばならないことがある。美術館
が充実していることである。温泉三昧+美術館を堪能した
ければ、是非訪れてください。過ぎたるものとしての風光
の明媚と人情と旨い店はゴマンとありますから。