2009年3月5日
スペースシップにエイリアンが進入してきた。
ビービービービーと警告音が鳴り、赤い緊急警告灯が点
滅し、出演者たちが一斉に配置に着き、映画を観てる我
々にいよいよ戦闘開始タイムカミングだと告げる。どー
いうわけか、CO2やスモークが特殊効果で使われ、宇
宙船内のあちこちから白いけむりが吹き出します。
テレビのチャンネルをひねると(もうチャンネルはひね
らないですね。もちろんチャンネルを回すも死語。リモ
コンでチャンネルを変える、ザッピングするとでもいう
んでしょう)、ニュース、文化、教養、スポーツ以外の
番組はお笑いタレントの仕事稼ぎの釣り堀と化していま
す。テレビを見るたびに思う。いつからこうなっちゃた
んだろうかと。お笑いは芸なんだろうと思うから、古今
亭志ん生ややすしきよし、牧伸二、江戸屋猫八という芸
人が大好きだったんだけれど、脈絡も寓意もないただの
思いつきのしゃべくり専門のお笑いタレントが茶の間に
溢れている。こんな国は世界中にあるのだろうか。
漫才師のオール阪神巨人のオール巨人さんがこういって
いる。
「昔の漫才にはルールがあった。人を中傷しない。歌わ
ない。下ネタを言わない。つまり話芸で笑わせろと。
舞台でへんなことやると先輩にあんなネタあかんって
怒られた。そのルールがなくなった。芸人養成学校が
できてからかな。学校に先生はいても先輩はいてない。
テレビも視聴率が取れれば許すという形になって、な
んでもありになった。今の漫才やお笑いはルールなし
の殴り合いやと、僕はおもってますね」と。
テレビ階や芸人の世界やそれをゆるしている見ている側
の人間に、ビービービービーと警告音が鳴り、赤い緊急
警告灯が点滅し煙が吹き出している。映画エイリアンと
違うのは、それに対し立ち向かう人間がいないことであ
る。
マネーロンダリングという犯罪行為をして摘発された西
松建設からの政治献金が明るみにでて、民主党の小沢代
表の資金管理団体が東京地検特捜部の強制捜査を受け、
第1公設秘書が逮捕された。
小沢代表は即記者会見で、
「何らやましいことはない。法律にのとって処理してい
る。それによってどうと云うことは考えていない」
と潔白を表明したが、献金側の西松建設の元役員から小
沢事務所からの要請があってのことだと供述していると
いうニュースが翌日新聞紙上を賑わしたが、民主党は国
策捜査だと検察を批判し小沢代表を弁護にやっきだが、
政治不信をまねいたことはまことに遺憾だとはいうもの
の、他党のことであると及び腰に終始しているのは、こ
の件で返り血を浴びることになりそうな自民党議員も間
接的に養護しているのだろう。
これでいっきに次回総選挙で勝って民主党が政権を担う
ことに真っ赤なライトがついたが、だからといって麻生
支持率が上がることはない。政権は変えられない。国民
から支持されていない政権政党が大恐慌の中、日本を導
いていく。
ビービービービーと警告音が鳴り、赤い緊急警告灯が点
滅し煙が吹き出しているが、映画エイリアンと違うのは、
それに対し立ち向かう人間がいないことである。
娯楽エンターテイメントの映画が描き出した未来は起こ
りうることだったのだ。ただ、あくまでも娯楽であるか
ら、ビービービービーと警告音が鳴り、赤い緊急警告灯
が点滅し煙が吹き出した時にスーパーマンが登場するが、
現実に起きたときには、誰も救ってくれませんでしたと
いうオチがついたようだ。