2009年5月15日
毎朝散歩をしている。
4月末の東京新宿厚生年金会館のホテイツアーの初日の
幕を開け、翌朝のすがすがしい思いの中で2時間ほど歩
いたのがきっかけとなり、10年ほど前にちいさかった
子供達を連れて毎朝散歩した日課が復活した。もちろん
今子供達は大人になり、歩くのはひとりだ。
初日にはなにも腹に入れずなにも飲まずただただゆっく
りと歩いて、それはとても気持ちがよいことだったけど、
空きっ腹に水分も補給しないで2時間も歩くのは返って
身体に悪いんじゃないかと思い、翌日からは、野菜ジュ
ース、コッペパンを軽く腹に入れ、途中で行き倒れるな
よという友人の忠告で、携帯は携帯することにした。
下町を流れる川に沿って河原を歩く。
時にゴミなどが捨ててあったりして人間のマナーの悪さ
に閉口する場所もある。ふしぎなものでゴミがある場所
はゴミが固まっている。誰かがゴミを捨てると、捨てた
い次の誰かがおなじところにゴミを捨てているのだ。誰
も捨てなければいつまでたってもゴミが固まらないわけ
だから、一人一人の注意やマナーの問題があっという間
に社会問題と化する典型的な例題であろう。固まればき
っと区の清掃担当要員が狩り出され片付けに出張るのだ
から、一人一人で整理できることに税金が使われている
ということだ。子供の問題や教育の問題や老人の介護の
問題に、地区に住む住民の住民税は使われるべきだ、税
金の無駄遣いはいわれるが住民が無駄に税金をつかわせ
てる場合も多いんじゃないか。住民諸君のマナーの向上
が正しい税金の使われ方につながるんじゃないか。など
と大人の考えも持ち出しながら歩く。普段の生活習慣の
中では気がつかないいくつかが歩くことで生まれるよう
だ。
河原には小鳥が歩いたり飛び上がっては虫を突いている。
水鳥が流れに浮かびあっという間に水に潜り、しばらく
離れたところにまた浮かび上がりながら漁をしている。
鳥も朝飯の確保に忙しそうだが、天気も良く連中にも気
持ちの良い朝のことだろう。
土砂か砂利を満載したタグボートを小型船がドッドッド
ッドとエンジン音を鳴らし上流に上っていった。河原か
らみていると、それはいかにも重そうで小型船の進み具
合はよほどスピードが遅く見えたが、並行して歩くと小
型船はあっという間に上流へ離れていった。
あのスピードは何ノットだろう。しかし、若い頃先輩に
誘われてヨットクラブメンバーとなり三浦半島の西側の
佐島マリーナから相模湾にヨットをだして遊んだが、い
つまでたっても船のスピードを示すノットには馴染めな
かった。原チャリで安全に気持ちよくスピードを出せば
時速40㎞ほど出る。竹芝桟橋から1000㎞離れた小
笠原二見港には大型客船小笠原丸で約24時間ほどだか
ら、その時速は約40㎞ほどで原チャリで太平洋上を走
行するのとほぼおなじ速度。しかし、はたしてそれは何
ノットだったか。船内に表示してあったと思うが忘れて
しまった。
歩く下町は、深川や本所、森下などの江戸時代からの町
屋ではなく、町屋が終わり田や畑があったところである
から、2階建てのアパートの角をまがると不意にお百姓
家の蔵などが現れる。なにに使っているのかよくわかり
ませんが、古びているとはいえそんじょそこらの地震な
どではびくともしないような堂々とした造りである。
あの蔵貸してくれないかなあと思いつく。
あそこでバーでもやったらさぞおもしろかろう。
おもしろかろうがここあたりじゃ客がこないだろう。
客がこなけりゃ赤字だろう。
赤字ではおもしろくなかろう。
と、思いつきを引っ込めたりしながら家に帰り着くので
ある。