ヤンキース地区優勝
『ヤンキース。アメリカンリーグ東地区。8連覇』
『ゴジラ祝砲23号』と新聞上で、見出しが小躍りしている。
今年の開幕前に、ヤンキースの代理人から、松井選手がヤンキー・
スタジアムで打席に入る時に流す「音楽」として、布袋さんの『新
・仁義なき戦いのテーマ』を使えないだろうか、という打診があっ
た。タランティーノ監督の映画「キル・ビル」のテーマ曲としても
有名なあの曲である。
布袋とも相談したが、一も二もなく『了解』とお答えした。
このことは、開幕前に一部スポーツ新聞などで報道されたから知っ
ている人もいると思う。
さて、開幕。ヤンキースは、松井選手の大活躍で好スタートをきっ
た。このニュースを知ったアメリカの友人から「ヤンキース。マツ
イの活躍は、ホテイの音楽だったんだ」とメールが入るなど、我々
の中では大いに盛り上がっていたのだが、開幕を過ぎるとヤンキー
スの調子が落ちてきた。
鳴り物入りで獲得した「ランディー・ジョンソン」「パバーノ」
「ライト」の先発陣3人衆が総崩れで、松井選手のバットからも快
音が聞かれなくなった。開幕から1か月過ぎた5月の初旬には、首
位を快調に走るオリオールズとのゲーム差は9ゲームと離される。
先発陣の立ち直る前に中継ぎ陣もめった打ちにあうゲームが続き、
コーチ陣の更迭と選手のトレードの噂が連日報道されていた。
序盤に5点とっても最後には17点とられ、8ー17で負けた試合
もあった。この頃は、テレビ観戦盛上がらなかったなあ。
松井選手も長い低迷の末やっと調子が上向いてきたかなという矢先
にねん挫。今年のヤンキースの地区優勝は絶望状態であった。
ところが、ねん挫で休むかと思った松井選手が、気が狂ったように
ホームランを打ち出した。6月7月の2か月で13本のホームラン
を打ったのだ。チームも、このあたりから一気に調子に乗り出し、
8月の半ばには首位のレッドソックスとのゲーム差は4になり、9
月に入っての20連戦を、ジョンソン、スモール、チャコーン、ム
ッシーナの先発陣ががんばり、ゴードン、リベロのクローザーが相
手打線を押さえきり、ジーター、ジオンビー、ロドリゲス、シェフ
ィールド、松井、ポサーダ、カノー、ウイリアムズの打線が大爆発。
日替わりでホームランが飛び出し、17勝3敗という驚異的な勝率
でのりきり、宿敵レッドソックスを直接対決で下し、大逆転優勝を
したのだ。
笑いながらジーターにシャンパンをかける松井選手の写真が新聞に
でかでかと載っていたが、かけられたジーターも下を向き首をすく
めながら笑っている。
おめでとう!ヤンキース!おめでとう!松井選手!
崩れたオムレツのジンクスもなんらかの効果があったのだとしたら、
プレーオフ〜ワールドシリーズまでは、毎朝崩れオムレツだ!