2006年3月12日
土曜日の福岡が暖かい日で最高気温が20度もあった。
サンパレスの楽屋の窓を開け外の空気を楽屋に入れ、春の陽気を
たのしんでいたが、陽が落ち夜になって急に冷え込んできたよう
だった。
ライブを終盤まで観て、一旦楽屋に戻り、東京と連絡をとってい
るとブルッと寒気がした。悪寒もするようだ。
風邪ひいたかぁ?・・・・・
春の陽気に浮かれすぎたかな。
でも、スタッフはTシャツで楽屋廊下を行き来してる。
「寒くないのか?」
「寒いですか?いいえ。今日は暑いですよ」
と言ってるからナンダカ俺一人寒がってるようだなあ・・・・
俺の周りだけ寒さがとりついているような不思議な感じだったが、
とにかく寒いので、一足先にホテルに戻った。
ホテルで休んでいると、さっきまでの悪寒は嘘のように治まった。
治まるとやはり暖かすぎる日で、軽く入れられた空調の冷気が心
地よいくらいだった。なんだったんだろー。あの寒さは・・・・
ベッドに横になりテレビを観ているとNHK特集「富山湾」をや
っていた。富山湾は海の中に北アルプスがあるといわれる。
北アルプス立山連峰は、海抜3000メートルの高さから一気に
富山市に下り降り、富山湾沖からまた一気にマイナス1000メ
ートルの深海底まで下り落ちている。
湾には膨大な水量の北アルプスの地下水が流れ込み、淡水と海水
が入り交じったその湾内の環境は世界にもまれな豊かな海をつく
る。植物性プランクトン。動物性プランクトン。小魚。中魚。大
魚。に甲殻類。深海魚類。深海甲殻類。海藻。春。夏。秋。冬。
と四季を通じて海の恵みに満ちているのが富山湾であると特集し
ていた。
富山に行きたくなった。金沢の小杉氏に案内を乞うて、湾内の湊
々を訪ねる旅をしたいなあ。小杉は夢番地の社長の善木とは旅す
るが俺を連れて行った事がないのはなんでだろう。ま。小杉も善
木も忙しいふりをしてるが実はヒマをもてあましてんだろう。
善木は契約した新人バンドが上手くいきだしていると聞くから、
これからはそんなヒマでもないか・・・
では、拙者を連れて行っていただこうか・・
NHK特番「富山湾」を半分ほど見たところに照明の佐々木さん
から電話が入った。佐々木さんとライブ終了後に食事をする約束
をしていた。ホテルから外にでると昼の暖かさがまだそのまま残
っていた。半袖で歩いている元気な若い博多衆もいた。
佐々木さんに聞いても、夕方一気に温度が下がってはいないと言
う。気温が下がったのでなければ、あの悪寒はなんだったんだろ
う。俺の周りだけ急に冷えこんだナニカ霊的な現象だったのでは
なかろうかとも思ってみた。
そういえば、ずーと昔のこと。霊的現象にまったく無関係な拙者
が、博多の那珂川沿いのちいさなホテルで幽体離脱という不思議
な霊体験に巻き込まれたことがあったぞ。
あの時は、気がついたら身体が空を浮いていて部屋の中をフワフ
ワ漂っていた。上からベッドで寝ている自分が見えた。
もう20年も前のことだったなあ・・・
ここはスピリチュアルプレースとちゃうか・・・
そんな事を思い出しながらソープ街を通り抜け、客引きの兄さん
姉さんの「いかがですか。遊んでいきませんか」の声に送られる
かのように約束の食事場に急いだ中州の春の夜でござった。