2006年5月15日
ゴールデンウイークは快晴の日々だったが、ここにきて天気がぐ
ずついているだけでなく、気温の低い日が続く。寝具も更衣で夏
用の薄くて軽くてさわやかなものにしたから、ここ数日は寒い思
いをしながら寝ている。
また厚い羽毛布団を押し入れからひっぱりだすか・・・
めんどくさいなあ・・・
昨夜も夜半過ぎに寒くて目が覚めた。
目が覚めるといい匂いがした。階下に下りるとかみさんがパンを
焼いていた。自然酵母菌でパンが焼けますという最新式のパン焼
き釜を買って、ここ数日パン焼きに熱中しているが、小麦粉と水
の分量の調節がうまくいかず、ふっくらと焼き上がらないらしい。
パンの皮の部分はかりっと焼き上がるが中はネトネトというしろ
もので、食えた物ではない。
さんざん悩んだ末、水の分量を量るカップで小麦粉の分量を量っ
ているのが間違いだったことに気づいて(水30ミリリットルと
小麦粉30グラムは分量が同じであるわけがない。1つのカップ
の30の目盛に水も小麦粉も合わせていたのである)深夜のパン
作りに挑戦していたのである。
「今日はふっくらとできあがったよ」
「では。ひとかけらいただこうではないか」
冷蔵庫からミルクとバターをとりだし、できたて焼きたてのパン
を深夜に夫婦そろってもぐもぐ。白神山のブナの酵母をつかい材
料は小麦粉と水と黒砂糖を少々加えるだけ。バターもスキムミル
クも一切使わないパンは小麦の味がぷんぷん匂い立ち、うまいう
まいと一斤の半分ほど食べてしまった
「これはうまいな。けっこうやるもんだね(ヨイショ)」
「良くできたわ。あしたはレーズンパンに挑戦しようかな」
「いやしばらくはプレーンなパンを完成させてみたらいいんじゃ
ないかな。これがうまい、いや実にうまい(ヨイショ)」
「町のパンやさんみたいにバターとかいれる?」
「それもなしでいいよ。このシンプルな味がうまいから。自然食
品屋で買うパンがうまいと思ったことがないから、我が家味を
追求してみてよ。・・・・ハックション!」
「そういえばなんてカッコウしてるのよ。短パンにティーシャツ。
それで寝てるの?風邪ひくわよ。いつも風邪を家に持ち込むの
はあなただから、気をつけてね。布団も薄い物にしちゃって、
まだ寒いわよ」
「それで目が覚めたんだ。うー寒い」
「そんなかっこうで寝てて風邪ひいて寝込んだりしても面倒みな
いからね。会社の皆さんは心配してくれるだろうけど、私は知
りませんよ。あなたの部下じゃないんですからね」
「うー・・・・ハックション!」
「もー。そばでくしゃみしないで!うつるから。早く寝なさい」
「この前の風邪は、娘から倅からお前からとリレーして俺にうつ
ったんじゃないか」
「もー。いつも人のせいにして。だいたいあなたは不規則な生活
して、しかも、この寒いのにそんなカッコウして。そっちから
に決まってます!」
追い立てられるように自分の部屋にもどった。
家族との時間と会話は、双方よほど人間ができてないとすんなり
とはいかないもののようであります。
朝起きると夜中のパン食で胸が少々やけていた。