2006年6月9日
友人が新しいレーベルのプロデューサーとしてサルサバンドを手
がけるというお披露目のパーティーが昨夜代官山のレストランで
開かれ出席した。
梅雨入り宣言もでたあいにくの天気模様だったがレコード会社、
音楽プロダクション、放送局、コンサートプロモーターなど合わ
せて100人ほどが集まり友人の新・出発のエールを送った。
そのレストランは半分が屋内で、半分が屋外テラスになっていて
タバコを喫う連中は外に集まりワイワイガヤガヤ。
新幹線が全面禁煙になるというこの時代に、この業界連中はタバ
コを喫う連中が多いこと。自分も喫いながら、まあ、呆れるわ。
健康志向の新時代にナント旧態然とした奴らか!俺たちは。
どーせ嫌われてるのよ俺たちは。
そういえば30円ほど値上がりするそうだな。
30円じゃ辞めないね。
一箱8000円になったら、その時は馬鹿らしいから辞めるけど
ね、などと言いながらプカプカモクモク。
ウエスの小島氏とサンデーの桑原氏と、ビール飲み過ぎてホテル
のトイレの便器に顔突っ込んで吐きまくったあのなつかしきベル
リンの夏の日々話に花咲かせているうちにパーティーはそろそろ
お開きとなり友人を代表してK氏が最後の挨拶にたった。
最後の挨拶だというのに、ぐずぐずと長くしかも暗い挨拶で、さ
すがに司会役のOさん見かねてK氏の話に割って入り、おーいカ
スヤサン代わりにしめてくれないかとの突然のご指名で、簡単に
短めに軽く友人にエールを送り、めだたくパーティーはお開きと
なった。
帰り際、K氏に君がぐずぐずしてるから俺におはちが回ったじゃ
ないかというと、挨拶はまったく苦手なんです。カスヤサンは挨
拶がウマイからうらやましいですよと云う。その時K氏にも言っ
たのだが、実はそういったパーティーなどでの挨拶はまったく苦
手で、パーティーにご参加ください、つきましては挨拶をと言わ
れると、ほとんど断ってしまっている。
数年前、5分間の挨拶をと言われ1時間喋りまくったと言うこと
があって、それに尾ひれがついて妙な伝説となり、あいつは喋る
のが好きだと勘違いされているのは自業自得かと諦めざるを得な
いか。現にK氏もそう思っている。
そう思われているから次々とそういった場が用意される。
音楽業界の団体の長をしているから役目柄そんな場面も避けては
通れないことも多いが、実は苦手君なのだ。人前で喋るのは。
ロンドンのハイドパークの一角にスピカーズコーナーとい場所が
あり、日曜日などいろいろな人が箱の上に立ち自説を論じている。
政治問題もあり環境問題もあり家庭問題もあり交通問題もあり税
金問題もありと、その主題は多種多様で、日曜の原宿の歩行者天
国で展開されるストリートバンドよろしく人を集めている。
こんどK氏と一緒にロンドンに行く機会があれば、二人でそこで
訓練しよう、客の少なかった方が飯を奢るとしないかと言うと、
「日本語じゃ誰も聞いてないですよ」
「通りすがりの日本人がいるかもな」
「音楽業界の人間だったりして。それも恥ずかしいじゃないです
か」
「まあ、そうかもな」
と二人力なくヒクヒクと笑い、別れた。