2006年9月25日
先週の土曜の9月23日。
つま恋でおこなわれた「吉田拓郎かぐや姫コンサート・
インつま恋」に参加した。
1975年8月2日夕方より3日早朝。当時、人気絶頂
だった吉田拓郎と解散した直後のかぐや姫の2組のアー
ティストは静岡県掛川市のつま恋でオールナイト公演を
開催した。この12時間に及ぶオールナイトライブには
7万人(警察発表)の音楽ファンが集結し、この日をも
って日本音楽史上に巨大野外イベントライブの幕が切っ
て落とされた。と言われる伝説のライブの再現である。
私は、当時は学生だった。大学に8年間も在籍しながら
その日暮らしのバイトに追われる日々の連続で、学校に
も通えず、残された時間の中で(明大は8年間しか在籍
できない)単位をとることは不可能と卒業はとっくにあ
きらめ、ただただ来年の学年終了の2月をもって放校さ
れるのを待つばかりの行き先の見えない学生で、今をと
きめく吉田拓郎やかぐや姫は天と地ほどかけ離れた存在
だった。当然。このつま恋のオールナイト公演は自分に
はまるで無関係。日本初の巨大イベントという同世代の
若者の興奮ともまったく無関係だった。
ところが、つま恋が終わった2週間後の事。突然かぐや
姫のメンバーだった山田パンダさんから電話があった。
中学の同級生のOとパンダさんの奥さんが仲良しで、O
に連れられ彼女とは3度ほど一緒に飲んだことがあった。
つま恋後、マネージャーを捜していたパンダさんに、
「カスヤっておもしろい奴がいるから会ってみたら。そ
いつバイト先で女にふられたらしいんだけど、そのふら
れ話がおかしくてあんなに笑ったことないくらい笑った。
もしかしたら使えるかもよ。学生だけどどこにも行くと
ころがないって言ってたから、マネージャーやらしてみ
たら。ダメだったらまた捜せばいいじゃない」
と、ふられ話でパンダさんの奥さんの御推薦に預かり、
パンダさんが電話をかけてきたのである。
この1本の電話で、行き先の見えなかった学生がこの音
楽業界に転がり込むように入ることになり、紆余曲折の
くり返しの連続ではあったが今日にいたるのであるから
世の中どこでどうなるものかわかったものじゃない。女
にはふられてみるもんだ。
そういう意味では、つま恋コンサートが開催された19
75年という年は日本の音楽史上特筆される年であるが、
同時に自分の人生にも特筆すべき年だった。
そしてあれから31年という月日が流れ、「拓郎・かぐ
や姫コンサート・インつま恋」に今回は関係者として参
加することができたのである。