2006年11月28日
夏の暑い時期は外に出るのが苦手だから京都の大文字焼
きは一人で行って来てください。そのかわり時候が良く
なったら紅葉・もみじ狩りに連れていってください。と
かみさんに言われたのだが、秋も深まるにつれナニカと
所用もかさなり、行けてない。
昨年、今年と若くして世を去った級友二人の墓参りをか
ねて岡崎へ帰ろう。かみさんを連れて岡崎に帰るついで
に、我が故郷の紅葉の名所香嵐渓に立ち寄ろうと思って
いたが、行けてない。ので、日曜日はあいにくのお天気
であったが、かみさんを連れ、都内の或る公園のまわり
をドライブしたところ、桜の木がきれいに真っ赤に紅葉
していて、それはきれいだった。
テレビでは、秋の紅葉特集で京都のあちこちが映し出さ
れているが、その中に清水寺の紅葉ライトアップが紹介
されていた。しかし。紅葉は日の光の下で観るものだろ
う。常緑樹の緑のなかに黄や赤が混じっていて、その背
景には青々とした空が広がっていたいものだ。白い雲な
どが高く流れるように薄くかかっていれば、なお結構と
いうもので、いくらライトアップされても背景が黒い夜
空では色彩感覚がゆすぶられません。桜は白みがかった
うす桃色なので黒い空を背景にしたライトアップも際だ
つが、絵の具をぶちまけたような色彩を楽しむ紅葉には、
いかがなものだろかと思った。旧友のMが清水寺の相談
役をつとめていると言ってたからMの提案かな。今度会
ったときに確かめてみよう。もしそうであったらイカガ
カ・・と提言してみよう。
ドライブした日曜日も雨がぱらついたりしていた曇り空
だったから、日の光が欲しいね、セザンヌだったかゴッ
ホだったか、もっと光を!と叫んだ気持ちがわかるね。
などとかみさんに話しかけるが、それよりも、この車、
ぎっこんばったんと走るのは止めてくれない。とお小言
を頂戴した。
伊丹十三さんの「ヨーロッパ退屈日記」に、スポーツカ
ーはやたらブレーキを踏んではいけない、シフトアップ、
シフトダウンで車を制御するのがスポーツカーで、まず
ブレーキを使わずに減速するものである、と書いてある。
Fー1など観ていても、シューマッハもアロンソもコー
ナーに突っ込む前にエンジンブレーキで減速し、さらに
シフトダウンして減速し、最後にブレーキを踏んでコー
ナーを回りきっている。
以前、片山右京さんに会ったとき、ブレーキは踏むと云
うよりエンジンブレーキを効かせて効かせて、最後に蹴
っ飛ばすという感じですけどね、と言ってた。
わたくしもスポーツカー乗りの一人として、やたらブレ
ーキを踏まないで運転する。まずはエンジンブレーキで
減速する。それがマニュアル車の醍醐味だ。と心がけて
いるのだが、残念ながら腕がついていかないから同乗者
にはぎったんばっこんと走っているとしか感じられない
のであります。
或る映画のオーディションに合格し、法外なギャラを手
にした伊丹さんは、さっそくロンドンであこがれのスポ
ーツカー・ロータス・エランを買い込み、フェリーでヨ
ーロッパに渡りフランスを抜けベニスまでのドライブの
旅にでかける。
ミシュランのドライブマップ頼りにフランスの田舎の三
つ星レストラン、ホテルを訪ね、それらについてはあれ
これ書かれているが、あの乗りやすいとは思えないロー
タス・エランの乗り心地、運転心地については触れてい
ない。もちろんこの旅は、パリではこれを、ミラノでは
あれを、との一点買いが目的の旅であったから、新車に
ついてはすでにイギリスで一点買いしているから記述を
省略をしたのであろうと想像するが、ついでに、乗り始
めのころは伊丹さんも手強いスポーツカー相手にぎった
んばっこんと格闘したのではないかとも想像する。だい
たいあの手の車はクラッチポイントが独特で、乗りこな
すには時間が掛かるから、フランスの田舎道をぎったん
ばっこんと走ったのだろう。ひょっとしたら奥方に小言
言われながら・・・
こう想像したからといって、わたくしの運転する車の乗
り心地の悪さを弁護するものではない。
いつかは時間をとってB級からはじめてA級ライセンス
を取りたいなと長年思い続けている。
夢を持ち続ける人ってステキ!
などと世間では云われるようだが、ただ思っているだけ
で1センチも前に進んでいないようでは、終いには言っ
てるだけでナンにもしない人に成り下がっていく自分を
感じる。イカンなあー。こんなことでは。
ヒール&トゥーなんて芸当は夢の又夢だなあ。
もっとスムーズに運転できないのォ?嫌い!この車。
と一生言われ続ける予感満載のドライブでもありました。