2007年1月27日
26日の夜、港区の静かな住宅地の中にある友人が経営
するレストランで、ニューヨークから来たミュージシャ
ンとロンドンから来たミュージシャンを迎えて、布袋と
数人のスタッフをまじえ食事をした。
ニューヨークから来た2人はドラマーとベーシスト。
ブラックガイである。1週間前のブライアンに引き続き、
今年は始まってそうそう英語で会話が続く。
ドラマーは、テラーロもしくはテラーノ(たしかそんな
名前だった)という事だから、勝手に「寺尾」と覚えた。
大巨漢で、ニックネームはタンクと食事中に聞いたから、
聞いた後からは、テラーロでもなくテラーオでもなく、
あとはタンク一本槍。ドレッドヘアーの優しい目をした
ニューヨーカー。性格も優しそうに静かな声で話す。
もう一人。ベーシストはルーベン。彼はわたくしの隣に
座ったから食事中話す機会はおおかった。
ニューヨーク在住ということだから、きっとヤンキース
ファンなんだろうかと言うと、ルーベンはヤンキースも
そうだが、ボストン・レッドソックスのファンでもある
と云う。
カリブ海のマルティニークの出身で、ハイスクールを卒
業して、ボストンにあるバークリー音楽学院(この音楽
学校は全米1の有名校で日本で云えば東京芸術大学に相
当するだろうか)に入学し、卒業後、しばらくボストン
で音楽活動をしていたから。がレッドソックスファンで
もある理由だった。マツーイ。マツザーカ。イガーワと
しばらく野球談義が続いた。
ルーベンは何度も日本に来ているようで日本食は大好き
で、手元がおぼつかないタンクに比べると箸もじょうず
に使うことができる。テンプーラ。スーシもいいけれど、
一番好きな日本食はイールドン。あれが食える欧米系外
国人に出会ったことがなかったから鰻丼には驚いたね。
もう一人は、キーボードプレイヤー、サイモン。彼は元
IRc2ロンドンのミュージシャンで、布袋ともわれわ
れとも親友といえる旧知の仲。10数年ほど前に当時つ
き合っていたオペラ歌手のガールフレンドを連れて日本
に来た。時は7月の末。さっそく我々は屋形船をしこみ、
隅田川大花火大会見物と洒落込んだ。その日のために用
意した会社のロゴマーク入りの我が社特性の浴衣を着て
全員で花火を楽しんだが、サイモンはその時、船縁に彼
女とならんで腰を下ろし、大音響とともに打ち上げられ
る真夏の夜空の光の競演の中、彼女にプロポーズした。
その時の写真はまだ残っている。その後結婚。彼女との
間に2人の子供を授かり現在はロンドンではなくオック
スフォード在住。自転車マニアでオックスフォードから
自転車を畳んで担いで汽車にのってパディントン駅まで
来て、そこからロンドン市内へはどこでも自転車で行く。
サイモン。オックスフォードまでは自転車で何時間かか
るんだい?といつも言われる度に、今日中に帰れればね
といなしてる。
クラッシック畑出身でキーボードだけでなく、作曲も手
がける。ジャミロクワイのストリングスは彼の仕事。
ギタリズム当時から布袋作品のロンドン録音のオーケス
トラはサイモンが仕事をしている。
酒もシャンパンからワインへとすすみ宴もたけなわにな
ったころ、ロンドン仕込みのジョークをサイモンにお願
いすると、気が利いたやつを披露してくれたから、それ
ではお返しにと、習い覚えたロンドンジョークをかませ
てみたが悲しいことに英語があまりにも下手くそであっ
たからして、わたくしのジョークは全くウケなかったの
でありました。
それさえも酒のつまみになったようで、気持ちよく食事
会を終えることができましたのは、ひとえに、かのミュ
ージシャン達の心の優しさでありました。