2007年4月8日
週末に山梨県甲府市まででかけた。
桃と桜とどちらが先に咲くのだろう・・と以前書いたが、
花見よりも桃の節句の方が早いのであるから、桃の花の
方が早いのである。ところが、首都高速を高井戸を抜け、
中央高速に入り、調布〜相模湖〜大月を越え、甲府盆地
の勝沼に入ると桃と桜が揃って咲いていた。以前、箱根
の彫刻の森美術館の副館長をしておられたH氏が言って
いた「東京の桜が終わる頃からは甲府盆地の桃が素晴ら
しいぞ」というのはこのことだったのかと実感した。
桃の花は桃畑の桃で、畑の面積はそうとう広く、桃源郷
という言葉を思い出しながら、愛車Zは快走した。
今井美樹は当夜のライブで、
「甲府に来たのは15年ぶりくらいだと思います。その
時、最前列に10人ほど揃ってサングラスをかけて座
っていたお客さんがいて、最後までウンともスンとも
言わなくて、不思議なところだなあと思いました。で
も、こうして15年ぶりに訪れてみると、お客さんの
歓迎が暖かくとてもウレシイです」
とステージから語りかけ、リラックスした表情で歌いき
り、最後はお客さんからスタンディング・オベーション
をいただき、素敵な最終日になった。
5都市、6公演という短いツアーではありましたが、大
成功に終わることができ、この場を借りて、キャスト&
スッタフの皆さん全員に心から感謝します。
公演が終わり、ボイストレーナーのS氏のボルボとつる
んで夜の中央高速を滑走し東京までもどり、二人だけの
ささやかな食事会をした。S氏が指導する区立の少年少
女合唱団の発表会が1週間前に行われたので、その結果
を訊いてみると、
ナンダカ新曲のお披露目会になってしまって・・・
とS氏の意図するものとかけ離れてしまったとのことだ
った。S氏の意図するものとは、そうして頑張った少年
少女合唱団が主役になるべきだということである。
ところが、その発表会用に書き下ろされた新曲の作曲者
や作詞者が主役となるように会全体が進行され、結果、
合唱団はただ新曲を披露するための少年少女に過ぎなか
ったようで、区に貢献をした作家を大事にするという観
点で区のお偉方にはそれでいいんでしょうが子供達には
・・・と気落ちしている様子だった。
そこで、思いあたったアイデアを「仮にこうやればおも
しろいかもしれませんよ」とS氏に伝えると「それはお
もしろいかもしれません、それならば子供達もやる気が
でるでしょう」と喜んでくれ、意気投合し、つい、ビー
ルを1杯余分に飲んでしまった。カルビも一皿余分に食
ってしまった。ウーロン杯も2杯余分に飲んでしまった。
今井美樹ライブも無事終了し、S氏のくったくも解消し
たのだが、日曜日の都知事選にはくったくが抜けきらな
かった。石原陣営でもなく、浅野陣営でもなく、はたま
た他候補の陣営でもないが、つまり誰という候補が自分
の中で確定できていないことにくったくをかかえていた。
娘が選挙権を持つようになり、家で選挙というものにつ
いて家族で会話をした。
選挙権の行使は国民の義務である。
昔、女性は参選権を持たなかったから、政府の女性対策
に女性が参加できないという事があった。昔、イギリス
に移住し、国の経済に教育に医療に治安にも寄与してい
たインド人が参政権がなく蚊帳の外に置かれていた。こ
れではイカンのである。よって、参政権はその国の国民
であるという証である。などとわたくしはブチ上げたが、
A—誰を選んで良いかわからない・・・
B—誰を選ぶとどうなるの?
C—選べないのに投票するってどういうこと?
という3つの問いに答えることができなかった。
わたくしのブチ上げと娘の問いを繋ぐ理論がまるで欠如
しているである。
きっと、立候補した全員も、この問いを持つ若者に理解
できるような答えを持っていないのだろう。そう思うと
くったくが消えて無くなるどころか、ますます大きくな
ってくる。
それから、気になるあのことこのことと屈託の種はひと
つではなく憂鬱な日曜日であったが、自分で解決できな
い屈託をかかえててもしゃーないやんけ。セラビ・・・
ドマーニ、ドマーニと開き直って、午後から、植草甚一
スクラップ・ブック(4)「ハリウッドのことを話そう」
を本箱から引っぱりだし、読んでみると、50年ほど前
に活躍した映画プロデューサーのジェリー・ウオルドの
映画作りにかけた情熱にすっかり感心してしまった。
その主題の追求のしかたと手法にも感心してしまった。
ひょっとして自分が抱えているあのことも、そのウオル
ド式に考えるとすれば、映画のテーマになるのではない
かと夢想が勝手に一人歩きしだし、気がつけば、朝の3
時まであれやこれや考え、とんだ夜更かしとなったが、
とても楽しかった。屈託を抱えた憂鬱な日曜日は、本を
読むにかぎるね。