2007年5月1日
しかし、連休中にテレビなど見ていても、大事件がない
分、平和な日々が続いている分、特に報じるものもない
ようで、
「新装オープンした新丸ビルに大勢が訪れています。東
京駅から直行してますよー。見てくださいこの人の波
を。特にレストラン階など客でごった返しています。
ここには、日本初上陸のケーキ屋が開店しました。ど
ーですか見てくださいこのデザートを。あーァ。デザ
ートにかけられたリキュールが燃えてまーす。きれい
な青い炎です。プレゼンなどもステキですねー。いか
にもおいしそうですー。今年は安い近いステキを合い
言葉に、例年は閑散とするゴールデン・ウイークが都
内で大盛り上がりでーす。新丸ビルからお送りしまし
た」
などと、レポーター達が、朝から駆けつけ、テレビカメ
ラに向かって、益でもなくロクでもないことを、いかに
もたいそうな出来事のように、騒ぎ立てています。平和
ボケの恥の上塗りのようなことをやっています。
スタジオで受けている司会者達も、こんなつまらないレ
ポートに答えようがなく、
「いいですねえー皆さんは、9連休なのでしょうか?
こちらは連休関係なく、毎日、朝早くから仕事してま
すよー」
などと、自虐的な楽屋オチでスタジオの笑いをかってい
る始末である。
いったい、こんなものを見せられて我々は何を考えれば
良いというのだろう。むしろ、何も考えず、何も疑問を
持たないでくださーいと言わんばかりである。しかも、
各局横並びの企画でどの局も程度は変わらず、これじゃ
そのうち、誰もテレビなど、局を決めて見るなどという
ことはなくなっちゃうんじゃなかろうか。局を決めて見
なくなったからといって、こちらの腹が痛いケツが痒い、
ということはないから、どーってことはないけどね。
しかし、見なくなったからといってどーってことはない
と大衆が知る意味は為しているのだろうから、スポンサ
ーにとってはオオゴトだね。スポンサーは真剣に「テレ
ビ番組に宣伝費を投下してていいものだろうか」と考え
るんだろうね。
考えれば考えるほど「これでイカン」ということになり、
金の投下を引き締めてくるだろう。金の引き締めがきつ
くなればテレビ局にとっては死活問題であるが、消費者
は知らず知らずのうちに、企業が使う宣伝費も商品の値
段の内に入っているのだから、宣伝費が浮けば、企業は
大衆に奉仕するという命題があるわけで、そうなれば当
然品物が安くなる。そうやっていろいろな商品が安くな
れば消費者の需要は喚起される。金が市中に出回る。金
が出回れば経済は上昇していくのだから、景気は回復方
向に向かうのだろう。そうして全国の企業からの税収が
上がれば、福祉などに投下する公的資金も潤沢になって、
大変住みよい美しい日本になるのではないか。
まあ、そんな簡単には美しい日本が来るとは思わないが、
仮にそんなたわごとも一理あるということであれば、ツ
マラナイ番組はただツマラナイだけに存在するのではな
く、国民・大衆・企業にツマラナイゾーとの大合唱を引
き起こし、美しき日本に向かう導火線の役割を持ってい
るとも言えなくはなく、それならばと大合唱の大爆発を
期待して、そのまましばらくツマラナイ番組を見続けて
いるが、一向に大合唱の起きる気配さえなく、予感さえ
なく、時間だけがただただ通り過ぎていくこのゴールデ
ン・ウイークである。