2007年6月19日
はじめて六本木にあるミッドタウンに行った。
あのあたり(元防衛庁付近)には、友人が経営してい
ているバー、20年通い続けているうまい天ぷら屋、
けっこう味の濃いラーメン屋や上品なタンを食わす店
などがあって、知らない場所ではないが、最近の六本
木はなんだか新宿歌舞伎町が引っ越してきたのかい!
と思われるような感じの街になっていて、用事がなけ
ればまず足を踏み入れなかった。
であるから、ミッドタウンがいよいよオープンします
とテレビで大宣伝していても興味なく、しかも、その
テレビのミッドタウン特集に映し出される風景は人人
人の大渋滞で、それを見るにつけますます行く気にな
らなかった。丸ビルのオープンも人人人。六本木ヒル
ズのオープンも人人人。原宿ヒルズも人人人。新丸ビ
ルも人人人。
だいたい、元々、人人人のいるところは嫌いである。
思い出すのは、大昔、ご幼少のころ、大阪万博開幕の
様子がテレビで報道されたとき、おやじやおふくろは
行ってみたいかい? と聞いたけど、絶対行きたくな
いと答えたものでした。お金に余裕がなかった我が実
家では、その答えを聞いて安心したことでしょう。
行きたい! 行きたい! と子どもに愚図られちゃ、
親はたまったもんじゃなかったでしょうから。まあ、
その前に、おやじやおふくろが人混みのするところが
嫌いな人たちであったから、わたくしの人混み嫌いも
親譲りなんでしょう。
今、大当たりのパイレーツ・オブ・カリビアンも、で
きればガラガラに空いている時間で観たいので、夕方
からの恋人同士にとってのナイスな時間で観るのでは
なく、朝一の9時の回で観るつもりである。人人人で
埋まっている所で好きなところは、我が社が企画する
コンサートくらいなものでありますよ。ところが行く
気もなかったミッドタウンに昨夜行ったのである。
昨夜は、長年音楽制作者連盟の理事として共に頑張っ
てくれたTさん、Sさんとわたくしの3人が、今期で
理事役員をそろって退任することになったので、互い
にお疲れさまでしたと3人でささやかな慰労会を赤坂
の料理屋でもったのである。TさんもSさんもどちら
かと云うと東京の西側の町を馴染みとしている。ど真
ん中の赤坂あたりにはまず出向かないであろうとあえ
てこの店を選んで、季節の会席料理にご酒を楽しんだ
のである。
さて、楽しかった食事会も終わり、さて、いかがしま
しょうか、どうしましょうか、まだ時間も早いようで
すからもう一軒だけ出かけましょうとなったが、Sさ
んはどうやら参加できないようだった。
Sさんは、長年いっしょに暮らした猫が最近死んでし
まって、家族全員で悲しんで、猫と暮らしたこの家に
いるのは辛いと引っ越ししたばかりだというのに、新
しい家の軒下に子猫が住み着いてしまって、それが可
愛くみゃーみゃーと鳴くものだから、もうしばらくは
猫を飼うまいと決めたのに、子猫の鳴き声の可愛さに
心はゆらぐ、どーしたらいいんでしょうと奥さんが電
話の向こうで云うものだから、今日は帰らなければな
りませんと帰っていった。
きっとその猫を飼うことになるんだね。
飼うために帰ったのでしょう。
それはいいとしてどこに行きましょうか。
赤坂で知っているところといえば・・・・
思い浮かぶのは、姐さんがいたり、ガンガン音が鳴っ
ている濃いめのところしかないですねえ・・・
いくらなんでもそこじゃねえ・・・
近場ですからいっそミッドタウンに行ってみませんか。
行ったことないけど知ってるんですか。
いや、知りません。ですから、お上りさんとして行っ
てみませんか。
となって、ミッドタウンに行ってきました。
ミッドタウンは、例の歌舞伎町もどきの夜の六本木と
は一線を画し、午前〜午後〜早い夜の時間を楽しみた
い人々を顧客の中心としているようだから、六本木と
は云え、ここだけは非常にさっぱりとした感じのとこ
ろだった。ただ、あまりにもスペースが大きすぎて、
お上りさん二人組は、やはり、あっちへうろうろこっ
ちへうろうろと歩き回るが、腰をおちつけるバーにな
かなかたどりつけない。これならいっそ定番ではあり
ますが、リッツカールトンのメインバーでいかがでし
ょうとなったが、入り口で断られた。理由はわたくし
が半ズボンを履いていたからだ。さていよいよ歩き回
ってやっと最後にたどり着いたところが、4階にある
コンランレストランだった。この店はロンドン、パリ
にあるが、ロンドンのサウスケンジントンにあるコン
ランレストランでは食事をしたことがある。知らない
店ではない。東京店のメニューはパリ・ロンドンとほ
ぼ同じ物を揃えていますとのことだが、食事のあとだ
ったから、チップスとナッツをたのんでシャンパンと
シェリーで軽く一杯やって、テラスから東京の夜空を
見上げTさんと別れた。
店のスタッフも親切で感じよく、ミッドタウン初見参
のお上りさんはたいへん気に入ってしまったのでした。
さて、これを読んでくれている貴女がまだミッドタウ
ンに行ったことがないのなら、わたくしがご案内しま
すよ。