2007年11月14日
”今年の車”デミオ受賞と新聞に出ていた。
カー・オブ・ジ・イヤーを選んだのは、日本自動車研究者・
ジャーナリスト会議(RJC)で、この記事を読むまでカ
ー・オブ・ジ・イヤーがRJCという機構で選ばれるとは
知らなかった。選考対象車は、昨年の11月から今年10
月末までに日本国内で発売された車で、会員(自動車研究
者やジャーナリスト)の投票によって選ばれるとあるから、
かなり専門的な評価がされたのだろう。
評価によると、今年7月にデミオは5年ぶりの全面改良が
おこなわれ、流線型のデザインを採用し、従来モデルから
100キロの軽量化に成功し低燃費にしたこと。そして1
0月末までの4ヶ月に25000台の販売実績をのこした
車であるらしい。カー・オブ・ジ・イヤーという名誉はな
んとも魅力的であって、きっと今週末、全国のダイハツ販
売店では「デミオ2007年カー・オブ・ジ・イヤー受賞」
の御旗や幟がたはめくことであろうが、かといってこの車
を買おうとは思わない んだが悪しからず。
ついでといってはなんだが、輸入車部門ではフランス車プ
ジョー「207」が受賞したとも発表された。新聞には2
07の受賞理由は書かれていなかったので、私見ながら書
かせていただく。
秋の日本晴れの或る日曜日。車を飛ばして岡崎から東京へ
帰った。あまりの好天気に空は絵に描いたように晴れ、実
際の風景でありながら絵のようであった。絵に描いたよう
にとはよく言ったものだなと日本語の言い回しに感心しな
がら車を走らせた。由比パーキングエリアで昼食を取った。
ここからは、相模湾越しさらに伊豆半島越しに富士が見え
る絶景のポイント。ここでも絵を見てるようであった。桜
海老天うどんを食べ、車に戻ってトップを空けオープンに
して煙草をふかしながら座席から富士を眺めていると前の
駐車スペースに大型トラックが入ってきて、プシュープシ
ューとエアーブレーキの音を鳴らして停止し、青空に映え
る富士がトラックに書かれた「全国直行便○×運送」とい
う看板に消されてしまった。駐車場であるからどーでもい
いのだが、これがため込んだ貯金をはたいてやっと建てた
「富士が見える家」であったとしたら、その家族の悲しみ
は絶望的であるだろう。
由比をたってしばらくすると東名高速道路は沼津を過ぎた
辺りから箱根の山塊を避けるように北上する。御殿場まで
の長い距離をゆるやかな登リ坂が続き、大型トラックなど
は左側の登坂車線を延々と上る。このあたりでは前方にな
んの傷害物もなく富士と真っ正面に対峙するポイントがあ
って、トラックの背中に富士を邪魔されないように一番右
側の追い越し車線を悠々と走っていると、後方から爆音が
聞こえてきたと思う間もなくみるみる近づいてきたのが赤
と黄色の2台のフェラーリ。赤が横浜ナンバー。黄色が練
馬ナンバーだった。もの凄いスピードであっと云う間に私
の車を追い越していった。その走りは間違いなく「NO1
カー・オブ・ザ・ヒストリー」そのものであったな。ただ、
その後に信じられないものを見た。甲高い爆音を残して走
り去る2台のフェラーリを、1台の赤い小型車がフェラー
リを追い抜くような、覆面パトがいたら間違いなく一発で
免許取り消しになるだろう猛スピードで追いかけていった
のだ。その車はプジョー207。
さすがRJCの会員の皆さんはよくご存じである。小型車
にしてあのスピードを。カー・オブ・ジ・イヤーに輝いた
としても不思議ではないといったらブラックすぎるだろう
か。