2008年3月31日
ドイツ・ベルリンに住むMr・P氏が来日中である。
P氏は、ドイツ西北部バルト海に面した小さな港町生ま
れで、こどもの頃から技術・テクノロジーが好きで、長
じてドイツ最大の電話会社に就職した。その後、会社の
命令で日本支社に勤務すること10年。5年ほど前にベ
ルリンの本社勤務に転じたが、40代の10年間を過ご
した日本をいまでもこよなく愛していて、本国に戻って
からも、年に2度は4週間から5週間の長期休暇をとっ
て日本を訪れている。
1ヶ月に渡る休暇が年に2度もとれるものなのかと不思
議に思うが、そこはドイツと日本の会社の考え方の違い
で、彼の国では昇給はただ単に給料が上がるということ
ではなく、働く時間が少なくなるという方法も合わせて
いくのである。例えば、週40時間働いて10万円の給
与をもらっている人が、翌年には週35時間働いて10
万円をもらうというようにである。つまり時間あたりの
賃金はカロリーアップするという昇給の考え方である。
日本では、そんなこと言わないでくださいよ、わたしは
独り者で時間はありますから土曜日に仕事するのも厭わ
ないですよ、ですから週10万円ではなく12万円くだ
さいよ、という人が多いと思うが、ドイツではプライベ
ートに使える時間が多くなって賃金は変わらなければ昇
給と考えるのである。日本式とドイツ式とどちらがいい
かはさておいて、プライベート=マイライフをいかに充
実した人生を送るかというのが伝統的な考えであるドイ
ツ人からみれば、我が日本人はワーカホリックであろう。
P氏も日本支社の代表を務めていたくらいだから会社で
はそれなりの地位の人間であり給与もそれなりに稼いで
いることだろうから、昇給は年俸は据え置きでも休暇を
おおくもらうという方法をとり、夏のバカンス休暇やク
リスマスホリデーを抱き合わせ上手くやり繰りし、あそ
こをつまんでここにつぎ足してと、1ヶ月にわたる長期
休暇をつくり、日本を訪れるのである。
しかもP氏は独り者である。最初に日本を訪れた時は結
婚していて夫婦で来日したが、日本に来て日本を大好き
になったP氏に比べ、奥方は故郷からはるか離れた東洋
の島国の習慣や食事や町のあり方に馴染めなかった。
結果、奥方は数年もたたずドイツに帰り、その後長い別
々の生活を送り、先年離婚したのでありますから今は独
り者の気軽さで日本を訪れてまいります。
日本に来ても東京に部屋はないので、石垣島に2週間、
京都に2週間、東北の温泉地巡りを10日間などとあち
こちを旅しますから、下手な日本人よりも日本のことを
知っています。
おもしろいことにP氏は、日本に10年居たというのに
日本語は達者ではないという言葉上の不便さを持ちなが
ら、ボディーラングレッジというかマインドラングレッ
ジというのかわかりませんが、それらを駆使して英語や
ドイツ語など喋らない東北の田舎の温泉宿のおかみさん
やお客さんと友達になってしまうという特技をもってい
ます。
またP氏はドイツ人でありながら、ビールが大嫌いで、
サッカーが大嫌いで、ザワークラウト(キャベツの酢漬
け・日本人にとってのお漬け物にあたります)が大嫌い
というドイツ人にあるまじきドイツ人でありますが、遊
び好きでありながら、こどもの頃からの技術・テクノロ
ジー好きなところには、ドイツ人らしい勤勉さはたっぷ
りと持ち合わせているようです。
今回はひさしぶりに東京で過ごすことが長いようで昨日
の日曜日に青山の焼き肉屋で夕飯を食いました。
いちばん喜んだのは、軽く焙ったミノの薄切り&わさび。
ミノがこれほど美味いとは!!!・・・
と驚いていましたから、ではと、ミノを薄切りにしてポ
ン酢に漬けたミノポンも紹介してあげました。焼き肉は
タレ、塩のいずれかで食べることが多いのですが、ミノ
ポンは軽く焙ると、醤油の焦げる香ばしい香りとポン酢
のさっぱりした味が相まって、牛の内臓である胃を食っ
ているというよりも、ミルなどの貝を食べているような
美味さがあります。すこし甘い味がついていますが韓国
のりで巻いてたべると、磯辺焼きのようでもあります。
このミノポンもブラボー! などとドイツ人のくせにイ
タリア語で叫んでおりました。
最近デジタルカメラを買ったこと。
スキューバダイビングはいまでも続けていること。
日本人のガールフレンドとはシリアスにつきあっている
ということ。
できれば、早めにリタイアーして日本に住みたいこと。
スポーツカー好きで、オートマティック車なんか乗りた
くもないとマニュアル一本槍であること。
飲み出すとあまり食わないが、テンプーラ、スーシ、シ
ャブシャーブ、ウナーギ、ソーバ、オッコノミヤーキな
どが大好きであること。
それに比べればドイツ名物のアイスパイン(豚肉の塩ゆ
で)など人間の食い物ではないということ。
などなど話す内に酒は進みつつ夜の帳も降りたようで、
帳が降りれば下ネタ話に洋の東西はない。
わたしが聞いたアマゾンのネタ話。
P氏が聞いたイタリアのネタ話。
わたしが聞いたロンドンのネタ話。
P氏が聞いたスイスのH話。
わたしが聞いたポーランドのケツ話。
P氏が聞いたアフリカの象のセックス話。
まあこれらを如何にセンス良くあまり品下がらないよう
にやるかが腕の見せ所でありまして、言葉を代えれば、
下ネタをいかに上品にやるかが話どころでありまして、
わたしの話はともかくもP氏のネタ話も寓意を含んだと
てもオモシロイ話でありました。なかには酒精分60%
以上のズブロッカを一気飲みしたような強烈なパンチの
ある話もございましたが、ここで書くのははばかられま
すので、残念ですが、ご紹介できませんことお断りして
おきます。